懐かしい場所①「くにゆき」という駄菓子屋

最近記憶力がめまぐるしい勢いで退化しているのでそろそろ書き記さねば忘れてしまいそうなので、懐かしい場所というテーマで何回かエッセイを書かせてもらおうと思う。移転の経緯
 
永照寺が大手町に移って17年の年月が過ぎた。懐かしい場所とは前お寺のあった京町。
今もこの場所を通ると懐かしく泥臭い気持ちになる。
小学校5年まで過ごしたこの場所は僕の記憶の中に鮮明に焼き付いている。高校生になるくらいまで良く昔のお寺の夢を見ていた。
たまに臭いつきの夢まであったwwwこれ本当に!
懐かしい場所、懐かしい臭い、なつかしい風景、懐かしい人。懐かしいという言葉には安心がある。

 懐かしいものの代表は駄菓子屋である。100人いたら70人はそう言ってもらえると思う。
ある悪い駄菓子屋ではビックリマンシールのスーパーゼウスが800円で売られていた。
ビックリ価格である。くじの1等から3等だけを抜いて別に販売したり…でも本当に悪いおばちゃんは駄菓子屋をしない。きっと若い頃に悪いことをした罪滅ぼしに駄菓子屋をやっているに違いない。

 僕が通っていた駄菓子屋はお寺の借地にある「くにゆき」という駄菓子屋だった。
お寺の敷地内に裏口があるのでそこから入ることもあった。朝8時位からドアを叩いて(時に蹴ったり)無理やり開けてもらったこともあった。おじちゃんとおばちゃんの生活する空間も兼ねていたので失礼なことをしたと今は反省している。店内は駄菓子屋にしては清潔感があり、パンや「当たりまっせ」「各種ガム」「はやりのお菓子」「各種アイス」と商品はなかなか充実していた。

 僕は100円を持って行き、その中で最高のパフォーマンスを考えた。
お菓子を選ぶ構成は夏はアイスが頻繁にレギュラー入りするが、それ以外は
塩系と甘系のバランスを慎重に考えなければならない。

●塩系のスタメン
「玉ねぎさん太郎」「モロコシ輪太郎」「キャベツさん太郎」
●甘系のスタメン
「ガム」「チロルチョコ」「5円チョコ」「小さい容器に入ったヨーグルト味のクリームみたいなやつ」


ビックリマンがあった日はこのスタメン達はベンチにさがり100円で3つのビックリマンになる。
一時●金という1000円が当たるチョコレートが出たが、一個50円だったのでリスクが高すぎてブームはすぐに去って行った。スーパーに通うようなセレブの間では流行ったかもしれないが


 この「くにゆき」で絶対に忘れられない出来事がある。
「ラーメンバー」というベビースターを固めたような物にシールが付いているお菓子が発売された。その日、僕の中でスタメンは決まっていた。
レジに行って初めて「ラーメンバー」の存在に気づいた。「もう発売しとる。欲しい」
 だが、もう選んでしまったレギュラーを返すのも気が引ける。涙をのんで「塩系」にはベンチに下がってもらった。
 しかし、甘系も60円分ある。ラーメンバーは60円。どれも戻したくない。限られたお金は100円。どうしていいかわからなかった。ずっとねばった。
「100円しかないけどこれ全部欲しい」20円分返せば帰れるけど何故か粘った。
いつもなら帰るのにどれも捨てれず無理やり20円負けさせようとしている。
おばちゃんも教育上よくないと思ったのか「ダメ!」の1点張り。「全部欲しい」の1点張り。
1時間程粘り「今回だけ」ということになり、100円で120円分の買い物をして家に帰った。
長い交渉の末の勝利と思い、ラーメンバーの袋を破りおもむろにとりだす。
 
 しかし、そこに待ち受けていたものは予想だにしない結末だった。シールも意味不明なシールだし、なんか美味しくない。人に我まま言って安くさせた経緯が嫌だったのか?本当に美味しくなかった。いつも美味しいお菓子までもおいしくなかった。その理由がずっとわからなかった。
今になってやっとわかった。もともと駄菓子というものはそこまで美味しくないのだwwww

「くにゆき」のおじちゃんとおばちゃんは移転後まもなく亡くなった。
子供さんがいなかったから今はもう家も絶えている。社交場としての駄菓子屋。今もまだ日本のどこかにあるのかな?「塾より勉強になる」なんて言ったらモンスターペアレントに怒られそうだが、あの不可解な面白さと温かさ、塾や学校では真似できんだろうな。


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by bongu04200420 | 2007-10-25 11:56

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