適正温度

「孤児として育った不良少年が温かい家庭で生活して家族の愛を知る」という内容のドキュメンタリーを見たことがある。

最初その不良少年は感動の日々を送り、訪問先の家族とも仲良くなっていく。
家事手伝いや、家族の団らんに参加するようになるのだが、ある日家のお金を盗む。
「信頼していたのに…」とその家の娘は泣いていた。
「お前を家族の一員だと思っていたのに」とお父さんは怒っていた。
これほど自分によくしてくれている家族を裏切ってしまった。と不良少年も泣いていた。
結果的に家族は少年を許した。

もともと窃盗癖がある少年だったので、テレビでは
「やっぱり手癖が悪かった。しかし、家族の愛が少年を救った」ということばかりが強調されていた。

僕はその家の家族の「温かさ」が少年を苦しめたのではないかと思った。
温かさは冷たい場所にいるものにとっては最も冷酷なものだから…。
少年は自分も温かい場所にいると思っていたが、ふと冷たい場所にいると感じる瞬間があったのかもしれない。この幸せは家族でない自分にとっては続いていかないもの。

壊れるより壊してしまえ…

幸せを自ら壊すことで精神のバランスを保とうとしたのかもしれない。

本当に勝手な推測だがそんなことを思った。

不幸なことがあった人を一番傷つけるのは幸せな人
一人暗い道を歩く人にとって羨ましいのは家の灯
重病の人を一番傷つけるのは健康自慢


人間の世界において100人の人が100人幸せになることはない。
この少年の姿を通して勝手にそう思った。
by bongu04200420 | 2008-06-19 23:00

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