愛すべき人~ねこのおじちゃん(完成版)

朝と夕方、定期的に公園に現れる男がいるという。

肩に猫をのせ、悠々とペダルを漕ぐこの男はミミちゃんという猫を飼っている。
「触ってもいいですか?」と言うと「どうぞ」と言われたので触るとかぎられた。
少し血が滲んでいる
「触っていいですか」の中に「危険はないですか?」のメッセージも込めたつもりだったが、そこの部分だけが伝わってなかったのだろう。

確かに触ることを許可してくれたが「大丈夫」とは一言も言ってない。
この通称「猫のおじちゃん」はバットとサッカーボールを持ってくる。
その辺の小学生にノックを始める。
力任せに打ちまくっているので、小僧どもは球をとりに行くだけで息があがっている。

ノックに飽きたら、低学年のサッカーを指導している。滑り台の管理人もしているので、多忙を極めている。大手町公園のビルゲイツという異名があるのもうなずける。

猫のおじちゃんに「娘の写真見るか?」と言われたので見せてもらうと
ミミちゃんと2人で写った写真だった。やっぱり。

子供の目線になって一生懸命に遊ぶので子どもには大人気だ。大手町のミッキーマウスという異名を持つだけのことはある。

しかし、おじさんのことを怪しんでいる父兄も多く、「近づいたらいかん」という感じで子どもをおじさんから遠ざける。うちの子供たちは「猫のおじちゃ~ん」となついている。
正直な話、最初は私も怪しんでいた。しかし、何度も会ううちに「悪い人ではない」ような気がしている。
「バッタが欲しい」という子どもの為に身体をはってボーボーの草の中に身を投じ、汗まみれになりながら「バッタバッタするわ」とお滑りギャグを連発する姿に熱いものを感じた。
おじちゃんが何者なのかは定かではない。

我々は人を見ることができない。地位を見たり学歴を見たり洋服をみたり家系をみたり職業を見たり、齢を重ねれば重ねるほど偏見眼鏡の度数はあがっていく。
偏見眼鏡をとり「人を人として見てみたい」若院として見て貰っていることで助かっている奴がいう台詞かぁ~という感じだが、せめて、せめて「人を人と見れぬ中で見れない自分である」ということくらいは自覚しながら生きていきたいものである。

ある日テレビを見ていたらこのおじさんが出演していた。年商数百億売りあげる会社の社長だった。パリッとしたスーツ、青いシャツの真ん中には白黒の猫タイが「ンギャー」と輝いていた。
「邪見驕慢悪衆生」いや「邪見驕慢悪慈顕」だった。とテレビの画面に頭をさげるのだった。

※一部大嘘が含まれています。
by bongu04200420 | 2012-09-28 17:07

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