角煮

少し前の話になるが、誰かが大きな声で怒鳴りつけている声が響いていた。

あまりの剣幕なので、ちょっと覗いてみたくなり外に出ると、1人の男が土下座していた。

タクシーの運転手2人は怒りの表現を一生懸命に探していた。罵倒するだけしたので
新しい悪口の切り口が見つからない様子だった。

居座って状況を確かめると

土下座している男はホームレスで、1000円ちょっとの距離を無銭乗車したのだ。
だいぶ長い間怒られた結果

「警察に突き出したところで金はいってくるわけでないから時間の無駄だ」と言い放ちタクシーたちは飛び立った。

男は解放された。いや、解放されるべきことをを知っていた。

数十分後、玄関のチャイムが鳴り表にでると、その男がいきなり土下座して

「ここに住ませてください」と懇願してきた。

これぞ本当の駆け込み寺。こちらからしたら駆けこまれ寺。

お釈迦様のビデオで見たことある出家のシーンのようでもあるが、ここは仏様には申し訳ないが
こんな男と一緒に生活はしたくないし、いきなり住もうなんて厚かましい限りだ。と自我が大解放してしまい、

「嫌です」

と答えた。

相手の切り替えも早かった。

「じゃあお金ください」

「嫌です」

なんか、言ってやろう。

「さっきタクシー無銭乗車してなかったっすか?」
「いや、してません。ここまで歩いてきました」

嘘つきやん。

「あの~食べ物ください」

ここらが妥協点かな。と思い、

「わかりました」と答え、台所に向かう。冷蔵庫をあけて一番最初に目に入ってきたのが

豚の角煮。イメージとしてはこんな感じ

b0117837_11505557.jpg


何も言わずともわかっている。
欲しいのは手軽に口にできる「おにぎり」とか「パン」とか「カップラーメン」とか…そんなんでしょ。
でもそれは駄目だよ。そんなに手軽に口にして欲しくない。

角煮を渡すと

困ったな~という表情をしている。

「コイツ、なんでこれなん」という想いと「無いよりはいいかな」という思いが交錯しているような表情だった。


しかし、あれほど心に響かない土下座というものを初めて見たな。「土下座の安売り」だわ。
今流行りの漫画「どげせん」を見て勉強すべし。

b0117837_1204616.jpg


b0117837_121862.jpg


b0117837_1214087.jpg

by bongu04200420 | 2012-01-19 12:01

読み流しブログの決定版 


by bongu04200420
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30