中央分離帯

明後日から法座ということで散髪に行くことにした。
駐車場に車を停めていると…

え! 片側2車線ある中央分離帯に軽自動車が、ポールを破壊して乗り上げている。
すぐ側を車が走り抜ける。
無人島のまわりをサメがうようよしているような構図。
とりあえずカメラにおさめたいという欲求がおこってきた。こんなことってあるだろうか?

近づいてみるとおばちゃんがおどおどしている。これを撮るのは不謹慎と思い、なんとか手助けをしようという「善人スイッチ」がONになった。

「どうしたんですか?」
「右折するの早すぎたんです」

ええ、右折ポイントは10メートル以上先ですぜ、姉貴!

近くにいたヤンキーの姉ちゃんも駆け寄ってくれた。
「とりあえず押そうや」とヤンキー姉ちゃんが言った。押せ押せムードに押され、押すもののビクともしない。良く見ると助手席におじいちゃんが座っている。おそらく痴呆と思われ、ピクリとも動かない。車とおじいちゃん、アルプス山脈の如し。

「お父さんがJAFに入っている」というのでJAFに問い合わせたところ、そんな人はいないという。
「JAFだったかな~」と怪しげになってきた。そうこうしていると向こうからパトカーが…
2人の警察官が現れた。ちょっとカッコ良かった。

警察官はレッカー移動を推奨したが、ヤンキー姉ちゃんの「とりあえず押してみましょう!」という発言に背中を押され、みんなで押すことになった。ひとまず、おじいちゃんは近くの派出所に連れて行かれた。今度は4人で押すのだ。おばさんはハンドルを動かすため運転席へ。

「よいしょ!」と押すとおばさんはおもいっきりアクセルをふかす!ブーン!

「よいしょ!」「ブーン!」
「よいしょ!」「ブーン!」

すごい排気ガスが辺りを包む。たまりかねた保安官がおばさんの所に行き、こう言った。
「あのね。前輪ういてるからアクセル踏んでも意味ないんだよね。踏まないでくれる」
おばさんは「テヘ!」っとベロを出している。ヤンキー姉ちゃんは笑っている。

「よいしょー!」

ゴリゴリという音ともに車は中央分離帯から道路へと戻った。奇跡の生還。

「ありがとう」おばさんは喜んだ。『おばさんの車を救う会』はこの一言をもって解散!

残された心配ごとはただ一つ、おばさんはあのポールを弁償しなければならないのではなかろうか?

散髪が終わり、派出所を覗くと、中には誰もいなかった。
外にはおばさんの軽自動車があり、なぜか助手席にさっきのおじいちゃんが山の様に座っていた。何事もなかったかのように…
by bongu04200420 | 2010-05-12 16:30

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